3D-CADを駆使し
”図面ベース”から”モデルベース”へ
そしてその先を目指す
プラント設計の歴史は携帯電話の回線と同様に”G”(Generation、世代)で表現できるかもしれません。
1G(第1世代/~1970年頃)
ドラフター(製図板)を使って、技術者が手書きにより作図を行っていた時代。
設計情報に変更があると、消しゴムで消して新たな線を書き足すなど、設計が進むにつれ、図面が読みづらくなることもありました。
複雑なプラントの出来上がりイメージをスケールダウンしたプラモデルで作成し、設計レビューをしていました。

2G(第2世代/1970~1995年頃)

2次元CAD(MicroCADAM・AutoCADなど)の発売により、コンピューター上で作図ができるようになった時代。
画一的な作図ができるようになり、CADで作成したデータをプリンターやプロッターで出図します。当所は技術者が手書きで作図しCAD入力していたため時間がかかっていましたが、次第に最初からCADで作図するようになり、作業時間が短縮されましたが、出来上がりイメージはプラモデルを作成していました。
3G(第3世代/1995~2010年頃)
機械系3D-CADが広まる中、PDSやPDMSなど、プラント設計専用3D-CADシステムが登場。
配管部品(継手、弁など)を登録し、つなげていくという配管設計の基本ができ、電気トレイやダクト、ポンプなどプラントに使用される機器も部品登録していくというスタイルが構築された。また各ソフトウェア専用に開発されたビューアソフトを用いてコンピューター上で設計レビューを実施し情報共有を図っていました。
しかし、異なるソフトウェアのデータを読み込むことができず、エンドユーザーやプラントメーカーが指定したソフトウェアでなければならないなどの制約がありました。

4G(第4世代/2010年~現在)

AutoCADなどの汎用CADソフトウェアがプラグインなどでプラント設計に対応。
CADソフトにこだわらず、様々なファイル形式を読み込むことができるビューアソフトが開発され出回ってきました。
汎用CADが3D-CADとしてプラント設計に適用し、様々なファイル形式を読み込むことでできるビューアソフトが登場したことで、3D-CADソフト間の垣根が取り除かれプラント設計における3D-CADの導入は一般的なものになってきました。
5G(第5世代/未来に向けて)
点群データ、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を用いて、より現実的な設計ツールとして進化。
点群データは現地のリアルな状況を確認でき、設計作業におけるインプット情報の高度化が図れます。
AR、VRでの設計レビューを行い、実際の雰囲気で各機器の操作性を確認したり、危険個所の確認などが行えるようになります。
また、AR、VRの技術が一般的になることで、施工業者が、自身でどのように施工していけば効率よく工事を進めていけるか検討する、設備を担当する運転員がオペレーティングのシミュレーションを行うなど、設計データの二次利用が盛んにおこなわれるようになることが期待されます。
